【プレゼン講座】PowerPoint と Keynote の画面遷移の違いを理解せよ

プレゼンプレゼン, PowerPoint, Keynote

この記事は、1年以上前に書かれたもので、情報が古い場合があります。

この記事の所要時間: 9

PowerPoint と Keynote

プレゼンに必要な道具の一つにスライドがあります。代表格が PowerPoint と Keynote ですね。これらには、スライドとスライドを遷移させる際に「効果」を設定することができます。

また、Keynote には、 PowerPoint データ (.pptx) の読み込み、PowerPoint データ (.pptx) としての書き出しに対応しているため、

  • PowerPoint でスライドを作成して、Keynote で発表する
  • Keynote で作成/発表して、PowerPoint データで配布する

といったことが行えます。特に PowerPoint Viewer がありますし、OneDrive など PowerPoint Webapp で表示することできるので、.pptx 化は一定のニーズもあります。

さて、ここでは、3つのテーマで紹介します。PowerPoint, Keynote の特長と注意点も載せていきます。

  • 画面遷移そのものについて
  • PowerPoint と Keynote の画面遷移の違いについて
  • Keynote の「マジックムーブ」と PowerPoint の「変形」について

 

画面遷移について

「画面遷移」と書いていますが、それぞれのツールで機能名が異なります。

  • PowerPoint: 画面切り替え
  • Keynote: トランジション

どちらの意味あい的には、スライドを遷移させるときの効果を設定することを指します。画面で見てみましょう。

 

PowerPoint の画面切り替え

PowerPoint では、リボンの「画面切り替え」でスライドの画面遷移の挙動を設定できます。また、選択した効果に対して「エフェクトとオプション」で詳細な設定を行うことができます。それらの設定もこの「画面切り替え」に機能が集約されています。

画面遷移としては、「時間」でその効果を何秒で行うのかを設定できます。ちなみに、PowerPoint での既定値は比較的もっさりする感じになっているので、適時時間を調整することをお勧めします。また、「後」というのは、このスライドが表示されて何秒後に次のスライドに自動遷移するかを設定する項目です(とてもわかりにく!改悪ですね)。2.00 と設定したならば、2秒後に次のスライドに遷移します。

画面切り替えで設定した効果に応じて、「エフェクトとオプション」の内容が変わります。例えば、「折り紙」を設定したならば、いかのように挙動を選択できるようになります。

選択した際に、プレビューで動作を確認できます。

 

Keynote のトランジッション

Keynote でのトランジションの設定は、「アニメーション」を選択することで設定できるようになります。このときにスライド上の図形やテキストなどを選択していない場合のみ、スライドへのアニメーション(= トランジッション)として設定できますので、ご注意ください。

Keynote でもエフェクトを設定できます。[エフェクトを追加] ボタンをクリックすると非常に多くの中から選択することができるのがわかります。

効果にマウスオーバーすると「プレビュー」というメニューがでてくるのでこれで都度プレビューして効果を確認できるのは嬉しい機能です。

効果を選択したら、PowerPoint と同様に詳細設定を行えます。

わたしもよく使う「プッシュ」の場合は、画面遷移効果の時間と方向が設定できます。PowerPoint よりは、もっさり感の少ない設定になっていますが、それでもそのプレゼンに合わせて調整することをお勧めします。トランジションを開始と遅れについては後述します。ここが PowerPoint との決定的な違いなのです。

 

PowerPoint と Keynote の画面遷移のまとめ

見てきたようにどちらにも同等の機能があり、設定自体もほぼ同等なものがあります。Keynote の方が効果も多く、設定も多彩なところがありますが、プレゼンで派手な効果もそんなに必要ありませんので、プレゼンで使う以上、遜色ないといっても過言ではないでしょう。

 

知っていなければならない画面遷移の違いについて

さて、本題でもありますが、PowerPoint と Keynote の画面遷移には決定的なコンセプトの違いがあります。この部分は似たような機能なのに全く違いますので、ご存じない方は混乱するところです。特に、前述のように、Keynote で作成し、.pptx で書き出してプレゼンするなんて場合や、その逆で PowerPoint で作成して、Keynote でプレゼンする場合にはここに注意しなければなりません。

結論を書くと

  • PowerPoint: そのスライドに遷移する際の効果を設定する
  • Keynote: そのスライドから次のスライドに遷移する際の効果を設定する

ということです。画面遷移の対象がまったくことなるわけですね。例えば、そのスライドへ遷移する際の効果を設定したい場合は、PowerPoint の場合は、そのスライドの「画面切り替え」で設定すればいいわけですが、Keynote では、前のスライドの「トランジション」で設定しないといけないというわけです。

従って、Keynote には、「トランジションを開始」という設定があったわけです。

ここでの、「クリック時」とは、次のスライドに遷移させたい場合はクリックするという従来のプレゼンの動きということをさし、これが既定値です。「自動」を選択すると、このスライドから次のスライドには自動で遷移しますよという設定になります。この場合には、「遅れ」にて何秒後に自動で遷移するかを設定できます。これは PowerPoint でいうところの「後」の設定と同様であるということです。

この画面遷移の違いは、どちらが直感的かについてはなんとも言えません。

私は、PowerPoint で慣れていたので Keynote のこのコンセプトと動きには最初は違和感があり、慣れないだろうなと思っていました。ところが、Keynote で数スライドを作成していたら、スッと慣れてしまったのです(今後は、PowerPoint での遷移が慣れなくなるのですが)。

また、画面遷移の効果には、PowerPoint と Keynote で差異があります。先述のように  Keynote の方が多彩な効果を搭載していますが、PowerPoint でも先に紹介した折り紙や紙飛行機、ゴミとして丸めて捨てるなど、「どこで使えと言うんだ」と思ってしまう効果があります(ゴミを捨てる効果は、やってはいけないことを列挙したスライドを捨てるという演出で使うことができます)。

従って、他方が対応していない効果は再現できないため、PowerPoint → Keynote、 Keynote → PowerPoint する際には注意してください。

 

マジックムーブと変形

スライドをあまり意識することなく、ストーリー展開を重視する際には、図形やテキストをスライドで引き継ぎながら場所を移動するような効果が必要となる場合があります。ちなみに、ストーリー性を重視したプレゼン作成方法については以前書いた記事を参考にしてください。

Keynote には、以前より、「マジックムーブ」というトランジションで実現できていました。

マジックムーブのよいところは、マッチしたオブジェクトだけでなく、近しいものをみなしてムーブしてくれるところです。ただし、これが弊害になることもあります。私は、オブジェクトをしっかりグループ化などして、意図したものと違うオブジェクトとみなされないように工夫して使っています。

一方、PowerPoint では、これに相当する機能がつい最近までありませんでした。PowerPoint 2016 の更新でようやく対応したばかりです。その画面切り替えの名称が「変形」です。

オブジェクト、単語、文字と単位を設定できるのは Keynote のマジックムーブと同様です。

これがなかったときの PowerPoint でこの動きを実現することも可能でした。基本的には、オブジェクトの移動(軌跡)アニメーションを使い移動させ、次のスライド相当では、その移動先にオブジェクトを配置しておくという涙ぐましい苦労が必要でした。

まず、軌跡自体が進化しているので、移動先にもオブジェクトが薄く表示されるようになったのです。従ってそこに次のスライドで配置したい同一オブジェクトをコピーしてきて、軌跡の最終地点に一致するように配置します。うまく配置できたら、このオブジェクトを切り取り、次のスライドにペーストすれば、スライドが切り替わっても移動先にオブジェクトがいるように見せることができました。最終的にはこの2枚のスライドで実現できていることになるわけです。この点は、「変形」を使った場合も同じとなりますが、配置位置を自分で細かく設定する手間があったわけです。これがなくなっただけでも「変形」の恩恵を受けることができます。

 

注意点

さて、ここでまた注意点です。PowerPoint → Keynote、 Keynote → PowerPoint と変換が必要な方は要注意です。PowerPoint の「変形」と Keynote の「マジックムーブ」には現時点で互換性がありません。Keynote から PowerPoint に変換すると、「マジックムーブ」の画面切り替え効果は、「変形」ではなく「なしディゾルブ」に変換されます。PowerPoint から Keynote に変換すると「変形」は、「マジックムーブ」ではなく、「ディゾルブ」に変換されます。

 

まとめ

Keynote の「マジックムーブ」と同等の  PowerPoint の「変形」が登場したことでプレゼン上の表現力は格段に上がりました。とはいえ、画面遷移自体の違いを知ること、それぞれの特長を知ることはとても大切です。それ以上に大切なのは、これらの効果を多用するのがみなさんのプレゼンの成功に必要なのかを十分に検討することでしょう。余計なアニメーションや画面遷移は受け手の注意力を奪います。受け手にとって最高のパフォーマンスができるように心がけたいところですね。