【プレゼン講座】私がプレゼンのときに意識しているたった3つのポイント

プレゼンプレゼン, エバンジェリズム

この記事は、1年以上前に書かれたもので、情報が古い場合があります。

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はじめに

セミナーで講演すると、内容についての質問以外にも、「プレゼン方法」について聞かれることも多いです。

中には、質問だけでなく、涙を浮かべながら「感動しました!」「握手して!」と言ってくださる場合もあります。

 

よくあるプレゼンに関する質問

本題に入り前に、最近よくある質問を中心にその回答を書いておきましょう。

Q. PowerPoint とは思えないデザインや効果の使い方だったけれど、アドオンとか、特殊なツールを使っているの?
A. 100 % PowerPoint などのプレゼンツールだけです。最近は、PowerPoint ではなく、Keynote を使うことの方が多いです。図形の合成は PowerPoint でも Keynote でもできます。また、Keynote だと「マジックムーブ」があるので、PowerPoint よりもやりたい表現を簡単に実現できるようになりました。

Q. 製品の話をあまりしないのはなぜ?
A. ヒントは、本題で。

Q. なぜ、文字が少ないスライドを多用するの?
A. ヒントは、本題で。

Q. アニメーションに頼らないプレゼンがよいとされているけれど、アニメーションを多用しているのはなぜ?
A. 動きのあるプレゼンを用いている理由は、本題で。ただ、実はアニメーション効果はあまりつかっていません。それでも動きのあるプレゼンはできます。

Q. リハーサルはどれくらいしているの?
A. リハーサルはほとんどしていません。デモを含めてリハーサルというものはほとんど行ったことがありません。別に準備不足なわけではありません。どんな状況でもクオリティを保てるようにしているだけです。要するに、いつでも闘える準備ができているのです。ちなみに時間配分は勘です。

Q. デモをどうして実施するの?
A. 別に製品を宣伝したいわけではありません。話の内容の抽象度が高めなので、それをより具体的にご理解いただくためにデモでご覧いただくようにしています。もちろん、デモのご要望がなければ実施しません。

Q. デモのシナリオはどう構成しているの?そのスクリプトがあるのならほしい
A. 実際に実施するデモは、講演中に考えています。大まかな流れや講演内容の理解を深めていただくためのシナリオは日々動かしているので頭にも入っていますし、手にも馴染んでいます。実際には、講演中に参加者の方々を見ながら、どのあたりのデモを行うべきか判断して実施しています。よく、その講演に合わせてデモを作ったり、考えたりする方がいますが、私は、すべてのデモシナリオを実行可能な環境を用意しているタイプです。

セッションスライドの作成方法については、別途ブログ記事を書きました:

 

プレゼン時に考えていること

この投稿を書こうとしたきっかけは、朝のワンコの散歩中に何気なくかいた Facebook コメントです。

友達限定で投稿したのですが、予想外に「いいね!」いただいたので、きっと誰かの役に立つのだろうと思って書いてみました。

私がプレゼンテーションの際に意識しているのは以下の3つくらいです。

  • What を伝えるのではなく、Why を伝え、What を感じてもらう
  • 3つの感覚タイプを織り交ぜる
  • オーディエンスの力を信じる

一つひとつ少し理由などを書きたいと思います。参考になるかどうかはわかりませんが、何かの足しになれば幸いです。

 

What を伝えるのではなく、Why を伝え、What を感じてもらう

特定の技術や製品のイベントやセミナーならオーディエンスとスピーカーの言っている What が一致することも多くありますが、この多様化した時代に、What が一致することなんてそうそうなくなってきています。これが、」「特定の~」でなければなおさらです。ましてや私は、「エバンジェリスト」です。「伝えて、そして、行動を起こしてもらってナンボ」なので、What で伝わるならエバンジェリストでなく、「技術解説員」や「技術営業」の出番です。私は、What だけで伝わると思っていませんし、それで行動に起こしてもらうまでいくとは到底思っていません。

What は、文脈が一致していてはじめて What だけで語らうことができる領域になります。エバンジェリストは、そうなる手前で活動しなければなりません。なので、What だけ語るのでは意味がないと考えています。文脈を理解してもらうには、Why から伝えないといけません。正確には、Why だけではなく、1H5W のWhat 以外です。

たとえば、Atlassian ソリューションの全体感をお伝えするには、ソフトウェアがどう変遷していって、開発現場がどう変わってきたのか、求められているものがなんなのか・・・という話なしでは、伝えられません。これをたとえば、What だけで構成すると「JIRA Software 新機能紹介」になるわけです。個々の機能は、当然、Why からはじめる動機であり、シナリオであり、価値でありが存在していますが、機能紹介になるとポイントだけの紹介になり、意図も伝わらないプレゼンになってしまいます。

先述のように、機能を知りたい「だけ」なら、それでもいいでしょう。ただ、私のミッションは、エバンジェリズムです。

ということで、私は、What を中心に構成せず、Why からはいります。そして What に時間を割きません。極端な話、What の説明は5分で十分です。それだけでも伝えたい What をご理解いただくこともできます。たとえば、JIRA Software なら、あれだけ多くの新機能、強化機能を有していますが、5分もあればご理解いただけます(Why から話したらの前提ですよ)。逆に、What ですべてを構成して JIRA Software の機能を理解していただこうとすると・・・最低3時間はくださいw

Why から話し構成すると、オーディエンスは、ご自身の価値観、知りたいことを中心にして、文脈を合わせてきてくれます。そうしたら、What なんて私が語るまでもなく、自然とそこに行きつくストーリーを各オーディエンスのみなさんが構成してくれます。

たとえば、先の JIRA Software で言えば、「品質の作りこみ」、「アジャイルなコンセンサス」、「DevOps」 で Why を共有できれば、ここの機能がなぜ、必要なのか、それがどういうシーンで誰にとって役に立つのかは、おのずと見えてきますよ?そこから個々の機能を知ればいいんです。それは、皆さんが帰ってからでもできることです。いわばコンパスで方向を示せばあとは理解しやすいといった感じです。

40分のセッションに300人に参加いただくとそこにかかるコストは、40分×300人=200時間 です。この時間を預けてくださっているわけですからね、What だけではなく、次の一歩につながる時間にしていただきたいと思うわけです。

この辺りについては、先日転載公開した、Ultimate Agile Stories Iteration 2 の私の寄稿記事も関連していますので、見ていただけたら幸いです。

 

3つの感覚を織り交ぜる

3つの感覚とは、技術論でもなんでもありませんが、人ってどこに共感するか、関心持つかはタイプがあるとも言われています。私は、長年の感覚で、この3つの思考があると感じています。

  • 数字 Love ~ 「○○%の△△は、、、」
  • 感覚重視 ~ 「安心を手に入れられます」
  • スケール感重視 ~ 「これにより、個人から、チーム、組織に広がっていきます」

いろいろな方がオーディエンスにはいますので、どこかに絞ることはなかなか難しいです。これが、クローズドなおひとりの役員向けプレゼンならその方に合わせるということもできますけどね。そこでプレゼンスライドの出番です。

私のセッションでは、大体、スライドに数字がでているときは、スケール感の話をしていて、スライドにイメージ図がでているときは、数字の話をしていたりします。スライドというのは、プレゼンのツールにすぎませんが、それを有効活用しない手はないですよね。スライドと喋りが同じでは、、、、もったいないですよね。ここに身振り手振りが加われば、3つの感覚は同時に表現できますw

これがうまくいくと、たとえば、その場に数字タイプとスケールタイプのお二人で参加いただいていた場合は、セッション後の談話などで話が弾みます。お互いの共感ポイントをもって同じ課題やテーマの議論につながるきっかけとなったりします。

あと、私は特にセッションのはじめの「つかみ」の時間には、会場を見渡しています。スピーカーからは実はよく皆さんが見えているんですよ。それこそ最初から寝ている人とかもw 意外と隅々まで見渡せますので、ここで話をしながら、ざっくりと皆さんがどのタイプなのかを見ていたりします。なかなか伝えられないので書きませんが、実はぱっとみてどのタイプか概ねわかったりします。この技術は営業畑の人の方がたけていると思いますので、お近くの営業さんに聞いてみてくださいねw

 

オーディエンスの力を信じる

私は、プレゼンもブログも「受けて次第」というスタンスでやっています。言い換えると、「オーディエンス/読み手」を信用しています。ある意味開き直っているとも言えますが、エバンジェリストですから、オーディエンスのみなさん自らの行動につながる何かのきっかけになることはとても大切にしています。エバンジェリストひとりでできることはたかが知れていますので、みなさんの力が必要ですし、それがみなさんのお役に立っていると思ってます。

そこにちょっとスパイスをかける感じで、セッションの最初や終わりに、こういうことがあります。

  • セッションのはじめ:
    • 「肩の力を抜いて、楽な姿勢で聞いてください。」
    • 「細部まで理解しようとしないでください。質問は、終わったあとでも、その後でもいつでもお気軽に」
    • 「みなさんの現場の誰かに伝えるつもりで聞いてください」
  • セッションの終わり:
    • 「みなさんに宿題です。今日のセッションで共感したこと、反感をもったことを現場でディスカッションしてください」
    • 「このセッションを聞いた人は、内容を3人の人に話さなければいけません(貞子方式w)」

人は、自分のためより、人のための方が理解が深まるといいます。自分の関心ごとだけでなく、現場のあの人ならこっちも関心があるかも・・・と考えると興味のないことでも結構覚えられるものですw 人は、一人より味方が多いほうがいいので、味方になってくれるあの人にも・・・とか誰かのためにというのが意識に入ると自分でも驚くくらい内容が体に入ってくるときもありますよね?

あと、Twitterとか書きながら聴くのも結構いいと思います。これも一種の誰かに伝えるですし、140文字制限で短く刻むので理解にも意外とつながっています。

そこでとっても重要なのは、しゃべり手が自信をもって話をしていることです。態度も重要ですね。私は、私見以外では、絶対に「~だと思います」という表現はしないようにしています。自信のない発言、態度は、オーディエンスの意識をそぎます。先に述べたようにセミナーとは多くのオーディエンスの方々の時間を頂戴しています。みなさんのコストがかかってます。自分の発言と態度、そしてオーディエンスのみなさんの持つ力を信じることではじめて、よい「場」つくりができると思っています。

これは私が日本ラショナルソフトウェアに転職してはじめのプレゼンテーションで営業さんに指摘されたことでもあります。そして、経験したこと、自信を持っていることなら「~だと思います」という言葉はでてこなくなります。身の丈を超えるとこういう言葉になりますよね?それだけの経験蓄積はやっぱり必要ということですね。ハッタリの得意な人はできてしまうかもしれませんがwww (私にはとてもハッタリはできません)

自分の中でのプレゼンでやってはいけないポイントもありますので、ご要望があればw

やり方は人それぞれ、プレゼンの目的もそれぞれですので、あくまでエバンジェリスト長沢のスタンスとしてとらえてください。何かの参考になれば幸いです。