この記事の所要時間: 7

カンバン

ここでいうカンバンは、開発手法としてのカンバンです。プルシステムと完了の定義、WIP制限によりプロセスを円滑化させるやり方です。

カンバンについてもっと知りたい方は、以下の書籍がおすすめです。

 

カンバンアンチパターンとツール

カンバンを模したツールはたくさんでています。Trello や Jira など、カンバンをうたっているものが多くありますが、この開発手法としてのカンバンを実践するにあたってはこれらのツールは実は不十分なのです。

ほとんどのツールが、カンバンといいながら、単なるビジュアルボードにすぎません。これを「カンバンに対応したツール」とか「トヨタのかんばん方式が実践できる」とか言っているならば速攻でツッコミをしてあげてください。おそらく意味をわかっていないで言っているのでw

先に紹介した書籍『今すぐ実践!カンバンによるアジャイルプロジェクトマネジメント』の著者が「カンバン アンチパターン」を執筆しています。これを日本語でも読めるようにしてあります(監訳は長沢が担当しました)。

7つのカンバンアンチパターン

多くのツールが、ここでのビジュアルボードとWIP制限のみに対応しています。これだけでカンバンに対応していると言っています。

しかし、プルシステムとして機能するためのカラムにおける Doing と Done の明確な区別と完了の定義、それによるWIP制限が搭載されていないと、カンバンにはなりえません。

 

VSTS

前置きが長くなりましたが、ここからが本題。Visual Studio Team Services (以下、VSTS) は、この点で、カンバンに準拠できる機能を有しています。それは、各カラムに Doing と Done で分割する設定をもっているからです。

カラムが分割されていないビジュアルボード

カラムが分割されていないビジュアルボード

右上のギアアイコンをクリックすることでボードの設定を変更することができます。

VSTS ボードのカラム設定

VSTS ボードのカラム設定

ここで、両端以外のカラムをクリックすると、「Split column into doing and done」というチェックボックスがあります(既定でOFF)。これをONにするとそのカラムに doing と done に分割されたサブカラムができます。

VSTSでカンバンを実践する

VSTSでカンバンを実践する

Active と Resolved のカラムが Doing と Done に分割されているのがわかります。WIP制限は、どちらのカラムにあっても適用されています。例えば、Active には、Doing のカラムに3つ、Doneのカラムに2つカードがありますが、Active のWIP制限は、設定された上限の5でカウントされています。

この状態では、新しいカードがあっても、Active (のDoing)にカードをもっていくことができないことがわかります。

カンバンでは、右側のカラムから評価していき、WIP制限に達していなければ、左どなりのカラムからカードを引き出してくることができます。画面では見えていませんが、Resolved カラムは、まだWIP制限に達していないので、Active の Done カラムからカードを引き出すことができます。

各カラムの Doing から Done への遷移はそのカラムでの完了の定義を満たしていれば自由に行えます。しかし、Done にあるものを右のカラムに勝手に置いてしまうことができないわけです。

実際のカンバンの運営の仕方は別記事にしました:

カンバンの動きをみていく