働き方改革への違和感

ワークスタイル

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ワークスタイル変革 / 働き方改革

ここ数年で、「ワークスタイル変革」や「働き方改革」という言葉をよく聞くようになりました。

なんでもそうなのですが、 実践している企業の言葉や実践している取り組み、そこで使われているツール(デジタルもアナログも)は参考にする価値がとてもあるものが多いです。

ただ、ツール提供ベンダーからのメッセージやソリューションは本当にワークスタイルを変革したいのか疑問に思うものもあります

単純化するとリモートで働ければ良いというものや、流行りのチャットを提供しますと言ったものが多いなぁという印象です。

 

本質を考えよう

「働くとは?」「ビジネスの目的は?」「今までのムダはどこから?」「そもそもそれは必要/不必要なのか?」と言った本質に踏み込んだ上で、手段を検討するというよりも、「便利」「効率化」を謳い、流行りものに手をつけましょうという手段を主軸におくことが多いように感じます。

提供ベンダーからすると、モノを売りたいし、手段としてのソリューションを提案しているのでしょう。でもそれは、「ワークスタイル変革」とか、「働き方改革」なのでしょうか?

単に「チャット導入」「リモートワーク支援」「情報共有」ではないのかなと。

メッセージの出し方によって、例えば、「ワークスタイル変革 = リモートワーク」となってしまうことに危うさを抱きます。

 

ハード面とソフト面

先日もリモート会議の功罪を議論してきたのですが、 リモートで会議できる便利さ(ハード面)ばかりに気を取られていて、そこに生まれる可能性のある「情報格差」や「疎外感」「すれ違い」を理解し、それらをカバーするソフト面を無視しているケースが多いと思われます。

例えば、チャットで、文脈を全く無視した唐突な話題やリンク情報などはその場にいる人ではコンテキストがわかりますが、リモートや時間差のある状況下では、まったく意味をなさないだけでなく弊害しかありません。

同じく、議事録もアジェンダ共有だけされていて、議題についての結果が書かれていないものは後で読む必要がある関係者、後から参加した関係者には何も情報がないのと同じです。

また、チャットやドキュメント共有、オフラインコミュニケーション、ワークフロー、スケジュール管理が散在していて、それらの用途が属人化していて(ようは人によって扱い方が違いすぎる)情報収集に必要以上に費やさなければならないと、かえって妨げになることが多いです。

よくいう 「仕組みは用意したけれど、使ってもらえない」は、仕組みの問題よりも、ソフト面の問題が大きいと感じます

手段だけを用意しても、そこに一定のソフト面が醸成されていないと(リテラシーですね)、よい効果は見込めません。

 

暗黙知との付き合い方

私は、「ワークスタイル変革」も「働き方改革」も「暗黙知」との付き合い方が、一つのキーワードになると思っています。「暗黙知」との付き合い方を考えていくと、正しく記録されるべき情報と不確かだけど即効性がある情報があるとこに気がつきます。前者は企業で規則として共有が義務付けられていることも多く、その効率化や徹底が注目されるわけですが、後者は人財に依存する傾向が高いため、注目されません。非効率が当たり前で、共有もできないものという開き直りもあるでしょう。

長くなったので今日はこの辺で。ご希望いただければまた記事を書きたいと思います。また、ディスカッションなどお気軽にお声がけください。

4年ほどに ITpro EXPOで講演した資料を共有しておきます。10,000人ほどの方に見ていただいており、今でも閲覧数が多い記事です。

講演の動画も公開されていました。

改善, 現場